藤田田さん死去

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日本マクドナルドの創業者で元社長の藤田田(ふじた・でん)さん=藤田商店会長=が21日、心不全で死去した。78歳だった。葬儀は近親者ですでに済ませた。「静かに旅立ちたい」との故人の意向で、公表を控えていたという。26日に藤田商店が発表した。藤田商店の連絡先は03・3571・1072。

 藤田さんは、東京大学在学中に高級雑貨貿易の藤田商店を設立し、米国本社との合弁で71年に日本マクドナルドを開業。食文化だけでなく、膨大な手順書をもとに巨大チェーンを動かす「マニュアル文化」も持ち込んだ。日本に大量消費文化が広がる時期と重なって成長を続け、社長、会長として30年以上経営を指揮した。

 90年代後半から低価格路線で「デフレの勝ち組」として勢いに乗り、01年7月にはジャスダック市場に上場を果たした。

 しかし、1万店、売上高1兆円を目指した拡大路線が裏目に出て、牛海綿状脳症(BSE)騒動などの逆風も響いて02年12月期決算は29年ぶりの赤字に転落。藤田さんは、業績の立て直しにメドがたたないままの03年3月、年齢や体力の衰えを理由に引退を表明。その後は公の席に姿をほとんど見せていなかった。